2016年10月より、北参道から六本木に移転したばかりの小山登美夫ギャラリー。ショウゴアーツや、タカイシイなど日本の現代美術を代表するギャラリーと共に建設された、ギャラリービル「complex665」に新たにオープンした。そのお披露目ともなる第一回目の展示には、写真家の蜷川実花「Light of」展が開催され、大盛況を収めた。そして、今回第二回目となる展示は、ロンドンを拠点に活躍するアルゼンチン、ブエノスアイレス出身のアーティスト、ヴァルダ・カイヴァーノだ。
彼女の作品は、自然や風景を想起させるような色彩や線が特徴。意図的に残した余白、あえて未完にとどめたような描き方は、観る人の想像性を膨らませる。色彩は、初期の頃の鮮やかなものから、近年はグレー、ブルー、ブラウンを主とした抑制された色合いに変化しているのも見どころの一つ。時間と空間の接点を定着させようと真摯に表現する彼女の作品は、即興性と方向性、物質性と幻想性が同居した、まさに抽象絵画の可能性を追求するものになっている。また本展は小山登美夫ギャラリーでの3年ぶり、3度目の個展となっている。カイヴァーノの新作のペインティングは、新たなスペースにてどのように表現されるのだろう。ぜひ実際に足を運んで鑑賞したい。
text: Mayumi Yamase
text: Mayumi Yamase
ヴァルダ・カイヴァーノ展
会期:2017年2月4日(土)まで
会場:小山登美夫ギャラリー
所在地:東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F
tel:03-6434-7225
火〜土11:00〜19:00
日曜、月曜、祝日、冬期休廊:12月25日(日)~1月5日(木)
入場無料