BUYERS' RECOMMEND|Vol.25
2023.10.04

BUYERS' RECOMMEND | あのバイヤーが推す最旬アイテム
Vol.25:WEEKENDER SHOP、iii3編

ファッション業界の最前線で活躍するバイヤーの目利きに頼って選び抜かれたアイテムを、リアルなコメントと共にHONEYEE.COMが連載形式で紹介しようというこの企画。第25回目はWEEKENDER SHOP、iii3から2名の名物バイヤーが登場。

Text Takaaki Miyake

WEEKENDER SHOP

WEEKENDER SHOP KaILI

休日に感じる楽しい気持ちを届けるショップ、その名も WEEKENDER SHOP をご存じだろうか?東京の新旧が集う下町の蔵前で洋服と生活雑貨のを取り扱う店を構え、“All about life”をテーマにした店内には日本、ヨーロッパ、そしてアメリカから厳選されたプロダクトが並ぶ。同店で​​バイヤーを務める芹澤さんから、ブランドとプロダクトへの愛が詰まったレコメンドが届いた。

「たくさんのブランドが溢れている現在だからこそ、デザイナーや生産者の想いが伝わってくるブランドを好んでバイイングしています。今回ご紹介する KaILI もその一つで、デザイナーである山内さんと話すと、その考えや想いがしっかりと伝わってきます。

KaILIのバッグは企画やデザイン、出荷やアフターケアなどの全てをデザイナー夫妻のお二人が福岡で行っています。ファブリックのバッグブランドでは、外部生産が多い一方で、デザイナー自らが製作されることは本当に稀なように感じます。また用途や使い勝手がまずデザインの出発点となり、一度完成したとしても、素材の見直しや仕様変更などを繰り返すことで、他にはないクォリティーや使いやすさが生み出されていると思います。

WEEKENDER SHOP KaILI

今回ご紹介させていただく Action Back Roll は、WEEKENDER SHOPでは毎シーズン取り扱わせていただいている、ある意味お店の「顔」にすらなっているアイテムの一つです。本当に人気があるモデルで、見た目のかっこよさだけではなく、使いやすさやデザイナー自らが制作をしている差別感的な要素や、改良を重ねた現在の仕様とデザインもその理由です」

WEEKENDER SHOP KaILI

大量生産が主流の現代において、デザイナー自らがミシンを踏んで制作したという、愚直な職人的精神を感じさせる、Codura Nylon製のロールトップ型デイパック。一見ベーシックなアイテムながらも、常にアップデートをかけることでファンの満足感を究極に追求。メインポケット内部にはPCポケットだけでなく、ファスナー付きのメッシュポケット、さらに2つのポケットと収納力も抜群の作りとなっている。またKaILI ではリペアサービスを積極的に行っているため、長く愛用できるのもその魅力の一つだ。

KaILI
Action Back Roll Black ¥46,200
Action Back Roll Olive ¥46,200

WEEKENDER SHOP
https://weekender-shop.com/
https://www.instagram.com/weekender_shop/

芹澤伸介
WEEKENDER SHOP バイヤー

静岡県出身。輸入・卸会社勤務後に独立し、「長年住んでいる東京下町の良さを洋服と一緒に紹介したい」という想いのもと、WEEKENDER SHOP をオープンする。趣味は毎日の物件チェックと休日のスイーツ巡り。

iii3

iii3 DIGAWEL

東京都内からでも気軽に足を運べる iii3 は、千葉県柏市で10年以上にわたり営業する人気のセレクトショップだ。日本デザイナーにフォーカスしたラインナップには、ネームバリューを問わずにキュレーションされたブランドが名を連ねる。先日13周年を迎えた同店からは、 オーナー兼バイヤーの田中さんがアニバーサリーアイテムをレコメンド。

「iii3 の13周年を記念して DIGAWEL へ別注依頼をしました。『個人的にも大好きなショート丈のブルゾンをDIGAWELに作ってもらいたい』と思い、“移動”を今回の個人的なテーマに設定しました。そもそも移動はヒトの本質であり、移動という行為によって環境や出会いがもたらす要素に人間は深く影響されるからです。これは DIGAWEL の23AWのテーマである『ピクニック(外出着)』からヒントを得ました。

iii3 DIGAWEL

まず外出時のイメージを考えた際に浮かぶ、かしこまらず気の利いたモノ、そして快適(楽)だけどディティールがどこか面白いモノ。そんな漠然とした言葉から依頼を快く引き受けてくださったデザイナーの西村さん、そしてDIGAWELチームの皆さんには心から感謝しています。春先の DIGAWEL オフィスでの打ち合わせで、ショート丈と個人的テーマの“移動”を擦り合わせたり、柏に足を運んでいただいたりと、細かいリクエストも聞いていただき本当に嬉しく思います。そしてようやく完成したのがこのアイテムです」

iii3 DIGAWEL

表地は DIGAWEL オリジナル素材のウールバジャラを用いた、ショート丈のフード付きブルゾン。裏地もオリジナルストライプのキュプラを採用し、フロントジップはブランドのアイコニックなパーツである、いぶし加工のririジップを使用している。ネームも iii3 と DIGAWEL が上下に付く仕様で、両者の強いパートナーシップを感じさせる。パターン製作から細かいディティールまで、思いの詰まったアイテムはわずか20着のみの限定生産で希少性も高い一着となっている。

DIGAWEL × iii3
SPECIAL ORDER SHORT BLOUSON ¥55,000

iii3
https://iii3ism.com/
https://www.instagram.com/iii3_kashiwa/

田中庸介
iii3 オーナー/バイヤー

大学卒業後に繊維商社の営業、生産管理を経てセレクトショップスタッフに。バイヤーと店長を経験後の2010年に(株)リコラージュを設立し、iii3をスタートさせる。“Every creation has a purpose 〜全ての創造物には目的がある〜”をコンセプトに、国内デザイナーを中心としたデザイナーの想いを冷ます事なく伝えるセレクトショップを運営する。また、地元柏市のエリア型商店会、ウラカシ百年会の会長も務め地域の盛り上がりにも貢献している。