現代のマルチアーティストと昭和のゲイ・エロティックアートの先駆者が共演
2021.11.29



Text by Takaaki Miyake

時代を超えたアーティスト2人によるコラボレーションが実現



ダイバーシティやインクルーシブという言葉が今でこそ根付きつつあるが、そうした言葉が謳われる遥か以前の昭和という時代に、ゲイ・エロティックアートを牽引したのが三島剛だ。三島は現代よりさらに秘匿であったゲイというマイノリティたちが育んだカルチャーの黎明期において、独自の日本男児像を描き続けた人物。 そして今回、神保町で80年以上の歴史を持つ老舗、小宮山書店と、気鋭のレーベルをセレクトする GR8 による KOMIYAMA YUKA BOOKS が、三島剛と Cali Dewitt のコラボレーションアート作品を発表した。Dewitt はカナダに生まれの現代を生きるマルチアーティスト。音楽レーベルやアパレルブランド、著名アーティストの商品デザイナーなど、多彩な活動で知られる。時代も生まれも異なる両者だが、ルールに縛られない自由さや、世に対するアンチテーゼとも取れるメッセージを発信する作風や活動には、どこかで重なる共通点があるのかもしれない。 この KOMIYAMA YUKA BOOKS が贈る作品は、Dewitt の代表作である“プラスチック・サイン・シリーズ”と、1972年に第二書房より発刊された『三島剛 画集・若者』から抜粋した絵画を組み合わせた、全15種類のオリジナルアートワークコレクションで構成される。 三島剛の作品はプリントなども存在せず、現存するのはオリジナルのアートピースのみだという。今コレクションは現地時間11月29日(月) 11:00に、アメリカGR8オンラインストアで販売開始される。 ※日本での発売は現在調整中。

[INFORMATION]

キャンバス作品:
Inkjet and acrylic on canvas / 24 x 36 inches / 全4点、All Unique / 各 $4,500.00 USD

プリント作品:
Offset print, Vinyl stickers on plastic board / 18 x 24 inches / 全11種類、Edition 3 / 各 $800.00 USD

※全ての作品にCOA付き。

CALI DEWITT / カリ・デウィット(1973- )

カナダ出身。ロサンゼルスを拠点に活動するマルチアーティスト。アメリカ、ヨーロッパ諸国、そしてアジアの国々で幅広く制作活動・展覧会を開催。インデ ィペンデント音楽レーベル Teenage Teardrops オーナー、ブランド SOME WARE デザイナーでもあり、アーティスト集団「WSSF」を主催するほか、 Kanye West(カニエ・ウェスト)のマーチャンダイズデザインを手がけたことでも知られている。