MUST-SEE NOW | Ron Mueck『ロン・ミュエク』@森美術館
2026.05.01

身体のリアリティと知覚の揺らぎ。そのあいだに立ち上がる、存在への問い

HONEYEE.COMが、今見ておきたいアート・デザイン展を毎週金曜日に紹介。この「MUST-SEE NOW」を参考に、今週末の“To Doリスト”に加えてみては?

「森美術館」で2026年4月29日(水)〜9月23日(水・祝日)まで、現代彫刻の可能性を拡張し続けてきたロン・ミュエク(Ron Mueck)の大規模個展『ロン・ミュエク』展が開催中だ。

ロン・ミュエク《イン・ベッド》2005年 所蔵:カルティエ現代美術財団
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年 撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

オーストラリア生まれ、現在はイギリスを拠点に活動するミュエクは、革新的な素材と高度な技法を駆使し、人間の身体を極めて精緻に再現する彫刻で知られる作家。実在するかのような圧倒的リアリティを持ちながら、スケールの操作によって知覚を揺さぶるその作品は、孤独や不安、脆さといった人間の内面へと静かに踏み込んでいく。

ロン・ミュエク《マス》2016-2017年 所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年 撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

「森美術館」とカルティエ現代美術財団による開催の本展は、2023年のパリでの展覧会を起点に、ミラノ、ソウルを巡回してきた国際的プロジェクトの巡回展となる。日本では18年ぶり、かつ東京のみでの開催となる会場では、初期作から近作まで全11点を展示し、そのうち6点が日本初公開。なかでも、巨大な頭蓋骨で構成されるインスタレーション『マス』は、約300㎡の空間を使ったサイトスペシフィックな展示として登場する。

さらに、写真家ゴーティエ・ドゥブロンドによる制作過程の記録写真と映像作品も公開され、ミュエクの作品がいかにして生まれるのか、その舞台裏にも迫る。

ロン・ミュエク《マスクⅡ》2002年 個人蔵
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年 撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

現実と非現実の境界を曖昧にしながら、私たちの身体感覚や存在認識に問いを投げかけるミュエクの彫刻。静謐でありながら強烈な体験として、記憶に深く刻まれる展示となりそうだ。

<Information>
Ron Mueck『ロン・ミュエク』
会期:2026年4月29日(水・祝)〜9月23日(水・祝)
開館時間:10:00~22:00(火曜日のみ〜17:00 / 5月5日(火・祝)、8月11日(火・祝)、9月22日(火・祝)は〜22:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで
会場:森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階