COLLECTION NOTE|Vol.9 TANAKA 2026年秋冬コレクション
2026.03.20
Courtesy of TANAKA

青写真が示す、TANAKAの現在地

Text Takeru Yamanaka

ニューヨークでローンチし、東京のコレクションシーンで存在感を強めるTANAKA(タナカ)。デニムを核にしながら、その世界観を広げてきた。楽天ファッションウィーク東京で発表した2026年秋冬コレクションでは、このデニムという素材へとより深くフォーカスした。

サイアノタイプという写真の技法で制作した青写真をホワイトデニムにプリント。花をはじめとする青写真をジャケットやシャツ、パンツ、ワンピースのフロントにあしらったルックが次々と現れ、青と白が織りなす静謐な美しさがルックに詩情と奥行きをもたらす。その後もデニムはコレクションの主役として登場し、染めや加工、シルエットで様々な表情を見せた。

全体に流れるのは、自由でアーティスティックな気配。無造作なレイヤリング、長く垂らしたスカーフ、捲り上げた袖——スタイリングは意図的なルーズさを纏う。フローラルモチーフやビジューの使い方などアール・ヌーヴォーのムードも静かに漂う。

レザーももう一つの主役。シアリング、スエード、ビンテージ加工などのレザーを使用し、切り替え手法も駆使しながら多様な表情を見せている。箔、汚し、泥染めといったTANAKAならではの加工も随所に効いた。素材の表面に経年を刻むようなこれらの技法が、コレクションに独特の質感と物語を与えている。

「このコレクションは、そのひとつのかたちである"Blue Print"(青写真)です。」「それぞれのなかにある青写真のそばに、TANAKAもまた、自然に寄り添う存在でありたい」——デザイナーがリリースに記したこの言葉は、コレクションの本質を静かに、そして確かに伝えていた。

Courtesy of TANAKA