デスティネーション・ストア | HONEYEE.COM的個性派シティガイド
2026.02.21

File 072:Graphpaper conservatory(東京・富ヶ谷)
衣服と植物の関係性を探る、Graphpaperの新たな拠点

HONEYEE.COMが選んだ“目的地になる店”を紹介する連載「デスティネーション・ストア」。今回は東京・富ヶ谷にオープンした「Graphpaper conservatory(グラフペーパー コンサバトリー)」を訪れた。ファッションと植物。一見すると異なる領域に思える両者が、ここではひとつの空間に静かに同居する。それは決して一過性のトレンドによるものではない、“自然のものを扱う”という本質的な視点から生まれた実験場だ。衣服と植物、そのどちらも“生きもの”として捉え、その関係性と可能性を探る場所が、その一歩を踏み出した。

Text Takaaki Miyake

“買う”ことよりも、“選ぶ”美学

渋谷や代々木上原と隣り合わせにありながら、どこか穏やかな空気が流れる富ヶ谷。感度の高いショップや飲食店が点在しつつも、喧騒とは一線を画した落ち着きがある。そんなエリアに“時代のスタンダードであり続ける”ワードローブを提案してきたGraphpaperが、“コンサバトリー(温室)”を新たに構えたと聞いて足を運んだ。

かつてこの場所には、花や植物を軸に空間表現を行ってきたクリエイティブスタジオのedenworks(エデンワークス)が手がけるショップ「conservatory by edenworks(エコンサバトリー バイ デンワークス)」があった。“花を棄てずに未来へ繋げる”というその意思を継承し、2026年2月7日(土)にその扉を開いたのが今回の「Graphpaper conservatory」だ。

「edenworksの代表である篠崎恵美から移店の話を聞いたとき、このスペースで、何か一緒にできないかと考えたんです」と語るのは、alpha(アルファ)の代表であり、Graphpaperのディレクターでもある南貴之さん。

「Graphpaper conservatory」の店内には、“自然のものを扱う”という共通項を軸に、その思想を可視化した、edenworksがキュレーションする植物と、廃棄される花を染料として用いる新ラインのGraphpaper -(グラフペーパー マイナス) によるアイテムが並ぶ。

そもそもGraphpaper -を立ち上げた背景には、サステナブルの在り方への“違和感”があったからだという。これまでファッションでの領域、とりわけ日本ではデザインも限定的な一方で、ヨーロッパを訪れた際、レストランのマーチにさえオーガニックコットンが使われ、それが自然と生活に溶け込んでいる光景を目にしたことがきっかけだった。

Graphpaper -では、すべてのアイテムにトレーサビリティスペックを記載しているが、それは単なる情報開示ではない。生産者へのリスペクトであり、普段は見えづらいモノづくりの現場を“届ける”試みだという。「作り手の透明性をデザインによって高めることで、そうした仕事に憧れを抱くきっかけになれば」と南さんは話す。

Graphpaper -ではボタニカルダイでありながら、いわゆる“サステナブル”を前面に押し出すのではなく、あくまでファッションとして成立する風合いやカラーリングが特徴だ。さらに“自然のものを扱う”というコンセプトを体現するように、人と植物が共に生きることを目指しセレクトされた植物が同じ空間に並ぶのも、「Graphpaper conservatory」ならでは。

この場所では、“買う”ことよりも、“選ぶ”という行為が問われる。素材に触れ、その背景を知る。衣服と植物、そのどちらも“生きもの”として捉え直す視点に触れ、ひとつの線で結ばれていく感覚を与えてくれる。この場所に足を運ぶ理由は、そこにあるのかもしれない。

DESTINATION STORES | File 72
グラフペーパー コンサバトリー | Graphpaper conservatory
住所:東京都渋谷区富ケ谷1-14-11

営業時間:12:00〜19:00
定休日:水曜日
https://www.instagram.com/graphpaper_conservatory/