メゾンの記憶を、若者像へ投影
Text Takeru Yamanaka
ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が、DIOR(ディオール)のショーでエネルギーに満ちた男性像を描いた。ランウェイに現れたのは、スキニーパンツとグリッターなトップスに身体をねじ込んだモデルたちだ。若さゆえの細身のシルエットは、今シーズンのDIORメンズコレクションの軸となる。それはテーラリングにおいても同様だ。ピークドショルダー、短めの着丈、美しく落ちるトラウザーズが、反骨精神を内包したユース像を印象づける。
先シーズン話題をさらった、オポジット(正反対な組み合わせ)なスタイルは、今季も静かながら魅力的に表現された。19世紀のフロックコートにフィールドコートを重ね、帝政期の上級軍人を思わせるミリタリージャケットにモダンなトラウザーズを合わせるなど、新たなルックを提案する。
また、DIORのシンボルである「バー」ジャケットを新解釈したピースも多数登場。ルックから浮き上がるかのような立体感を、細身のパンツとの対比によって際立たせた。ボンバージャケットにブロケードのケープを融合させたり、黒のセットアップのボトムスに重心を落とした量感のあるスカートを合わせたりと、女性性と男性性の交錯も見せている。
ニュートラルカラーやミリタリーカラーをベースに、華やかさを添えるスタイリングも印象的だ。異国情緒あふれる鮮やかなプリントをコート全体に覆ったり、総柄パンツとして取り入れたり、グリッター装飾を施したピースを自由なムードの中に差し込んだ。そして、目に眩しいホワイトパンツも強い印象を残した。
フランス、そしてメゾンの歴史から得たコードを、自由な若者像へと投影した今回のコレクション。ジョナサンの感性は、DIORという大きな舞台において、ますます研ぎ澄まされている。






























































