
Tシャツ ¥8,900
ナイキ、アディダス、シャネル、カルティエ、エルメスといった名だたるブランドをクライアントとしてきたアートディレクター/クリエイティブディレクターのThéodoros(テオドロス)が、2012年にパリで立ち上げたクリエティブエージェンシー、PRESSURE(プレッシャー)。
ファッションにおけるデジタルデザインの分野に特化する同社は、様々なブランドのルックブックやウェブサイトを手がけると同時に、2014年に「プレッシャー マガジン」を発行。ファッションとは関係のない分野のフォトグラファーを起用したファッションビジュアルで注目を集めた。
そのプレッシャーが、2017年春夏よりアパレルのコレクションを発表している。フランスに移住したギリシャ人の家系であるテオドロスは、デザインのインスピレーションを自身のルーツであるギリシャに求めた。今も経済危機で混迷を極める社会情勢を皮肉った、鋭い視点が際立っている。
イエローのストライプのシャツは、アテネで低所得者層の労働者が就く職業の一つ、タクシードライバーの制服をイメージ。タクシーの車両をプリントしたTシャツには、ギリシャでは知らない人がいないというほど有名な富豪の男性の顔も並べて、激しい経済格差を表現した。
世界地図のように見えるグラフィックは、ギリシャのように経済が破綻しそうな国々を集めて構成したもの。天使の絵画と路地で物を売る少年を対比した写真、アテネオリンピックからの盛衰を表したパルテノン神殿モチーフのロックT風グラフィック等、秀逸なデザインのプリントTシャツは多くのバリエーションが揃っている。
そんな強烈なメッセージ性を持つプレッシャーのコレクションだが、ファッション業界で実力を発揮してきたデザイナーが手がけているだけあって、デザインはスタイリッシュ。臆せず挑戦して、“ファッション”として取り入れてみよう。JOURNAL STANDARD、O 代官山、WISM等の限られた店舗で取扱い。
text: Ryu Nakaoka
[問]ディプトリクス
tel: 03-3409-0089
pressure.fr