
銀座の一角に登場したパールピンクに輝くビル、「MIKIMOTO Ginza 2」。真珠のミキモトのブティックの他、レストランなどが入っている。設計者は伊東豊雄+大成建設設計本部。伊東豊雄にとっては「まつもと市民芸術館」や「TOD'S Omotesando」などに続く最新作になる。
伊東は重力から解放された「軽さ」を感じさせる建築を追求してきた。これまでもパンチングメタル(穴のあいた金属板)で透明感を出したり、柱や床をできるだけ細く、薄いものにするなど、さまざまな工夫をしている。が、この「MIKIMOTO Ginza 2」はこれまでの作品と比べても軽やかさが際だつ。それは、不定形の穴があいた薄い壁で建物全体を支えているからだ。高さ約50メートルのビルを、太い柱などではなく厚みわずか20センチの壁で支えるため、伊東は大成建設や構造設計者とともに試行錯誤を繰り返している。
壁の表面は溶接した跡などが見えないよう、徹底的に磨き上げられ、凹凸の少ない塗装で丁寧に仕上げられた。よけいな服や厚化粧で隠すものは何もない。鍛え上げられた肉体によく手入れされた素肌をさらした、生身の建築なのだ。
このミニマルな建物を生みだした精度の高い職人仕事は、日本でなければ難しいものだったという。東京の顔である銀座にふさわしい建築だ。