2005年だけでも6つもの展覧会を開催し、加えて
ナイキ、
リーバイスといったビックカンパニーとのコラボレーションや青山の
Tab Deviceでの作品展示など、アーティストとしての高い評価を確立しつつあるMATZU-MTP。具象と抽象、形態と文字、色彩と明度、混沌と整理などの境界線を排除し、統一させるという現代美術の特異な作風だけでなく、随所に和の感覚を覗かせるのも特徴の1つと言える。この作風はこれまでの彼の生い立ちが関係してくる。
生まれは飛騨高山、小学校からはアメリカのロスアンゼルスへ、その後中高は日本で過ごし、現在は活動の拠点でもあるニューヨークに住んでいる。まさに日本とアメリカを行き来する生活。ときにはストリートカルチャーにドップリと漬かり、ときには日本画にのめり込み、そして、それらの要素をすべて網羅し、新しい形態のアートを用い現代美術の世界で通じる特異の視覚言語を築くことで、あらゆる角度から自らの感性を磨き続けた。その結果が今の作風に繋がるのだ。
「飛騨高山からロスアンゼルスに移住したときは、あらゆる面で衝撃的でしたね。文化的な違いはもちろんですけど、ストリートカルチャーの核となる部分を体感できた。マーク・ゴンザレスやトミー・ゲレロといったカリスマ的なスケーターが目の前で滑っていましたからね。その他にも東京、飛騨高山、オレンジカウンティ、そして今住んでいるニューヨーク、生活してきたすべての場所でいろんな影響は受けてきました。それらを僕なりに拾い、繋ぎ合わせ、クロスカルチャー的な部分を表現できればと思っています」。
そんな彼の東京で初めてとなる個展『MATZU-MTP EXPO』がGALLERY SPEAK FORで開催されている。「今回は、空間全体を通して1つの作品となるように構成しました」と語るように、立体作品やパズルのように解体した作品、巨大絵画にいたるまで、すべての作品を有機的に配置し、独自の空間を演出している。「実は、これまではあえて東京との距離を置いていたんです。でも、信頼できるキュレーターのShuzo Okabe、Jesse Sharer に出会い、彼らと共にやっと満足できる展覧会を東京という街で出来た、そんな感じです」。
世界的に注目が集まるMATZU-MTPの東京での第一歩を、この目で確認してもらいたい。