
山本宇一(やまもと・ういち)
1963年生まれ。97年に駒沢バワリーキッチン、2000年には表参道ロータスをオープンさせ、 様々なシーンで東京カルチャーを牽引。最近では駒沢のコーヒースタンド、プリティシングスにてマスター。
前田紀至子(まえだ・きしこ)
1985年生まれ。ほぼ文筆業。 10代は新潮社『nicola』で専属モデルを、20代は光文社『JJ』で読者モデルとライターを務める。カルチャーと赤文字の雑種で、不思議の国のアラサー。
サービスが充実したエミレーツ航空でのフライト
山本宇一(以下U)
「今回はエミレーツ航空のお招きでドバイに行ったので、行きも帰りもエミレーツの飛行機を満喫しました」
── 天井がプラネタリウムみたいですね。
前田紀至子(以下、K)
「これが時差ぼけ軽減に役立つんですよ。渡航先の時間によって昼間の空から夜の星空まで変わるように明るさを調整しているみたいで」

左は体内時計を調整してくれる機内の星空。右はアダルトシックなエミレーツ航空の客席。
── そもそも宇一さんは海外に行く時はエアラインは決まっていますか?
U「僕は基本的にJAL派ですね。でもエミレーツはすごく良くて。エミレーツってあんまり日本で馴染みが無いけどビジネスマンが経由とかで使う。UAEってお金持ちでバブリーで物価が高いんじゃないか? っていうイメージがあるけれど、飛行機やタクシーの公共の交通機関はすごく安い。そういうインフラにお金をたくさんかけているんじゃないかな。飛行機も高くないし、かつゴージャス」
── ドバイまでのフライトは何時間でした?
K「行きが約11時間で直行便です。ただ機内のサービスやプロダクトの質が高いので飛行時間があっという間に感じて。チャンネル数が2,500くらいあって、選びきれない、観きれない」
U「もちろんハリウッド映画もたくさんあるけど、知らない国の映画もいっぱいあるのが面白かった」
K「スターウォーズなんかはエピソード1~7まで全部あって隣の席の子供はひたすら観ていましたね(笑)」
── じゃあ映画を観たり、ご飯を食べたり?
K「そうですね、乗るとご飯がすぐに運ばれてくるので」
U「結構ボリューミーな和食が。日本人じゃなかなか食べきれないくらいの」
K「それにお茶やGODIVAのチョコがどんどん運ばれてくるんですけど。チョコも全部違う種類のもので楽しい」
── じゃあ飛行機の中ですっかりお腹いっぱいって感じですか?
K「そうですね。それから機内食も事前にリクエストすればベジタリアンメニューやイスラム食まで色々選べます。行きの時点では知らなかったんですけど、現地でアップしていたインスタグラムのコメント欄で、エミレーツビジネスのフムスが美味しいので是非食べてくださいとおすすめしてくださった方がいて。それもオーダーしてみたら本当に美味しかった」
── シート自体も結構広い?
U「広いのはもちろんだけれど、椅子がゴールドとホワイトと木目調をモチーフにしていてリゾート感ある機内の雰囲気。おもてなし、っていうところでは日本のエアラインに負けてないかな」
K「もちろんフラットになりますし、寝たい時はマットレスも用意してくれるので気持ち良く寝られますね」
U「あとアメニティーが楽しいね。全部ブルガリで高級感があって」
K「靴下も履き心地が良くて、足が冷えずに助かりました」

砂漠に現われた近代都市ドバイ
ラグジュアリーな競馬レース、ドバイワールドカップ
── 現地ではどんなステイを?
U「僕たちはドバイワールドカップという競馬のレースに招待されていたのが一つの目的だったから、到着後はちょっと仮眠してすぐに競馬場に枠順決定抽選会の見学に行きましたね」
── ドバイワールドカップは一日で?
U「レースは一日なんだけど僕らプレスや馬主は王様みたいな人が来る抽選会で出走の位置を決めるのを見たり、翌朝調教を見ながら凄く広いところでモーニングのパーティーを楽しんだり。イスラムだからお金を賭けちゃいけないんだけど、日本の馬が結構強くて日本の馬が早速勝って 」
K「純粋に日本の馬を応援するのが楽しかったですよね」

ドバイワールドカップの前の静けさ
U「エミレーツって結構スポーツのスポンサーをやっているから。例えばサッカーとかテニス。CAの方が会場にも応援に来ていて華やかだよね」
── いわゆるセレブリティーみたいな人がいた?
U「日本の競馬場と違って本物のセレブみたいな人が多い。ザ・セレブ。競馬場も凄く巨大でホテルもあるし映画館もあるしショッピングモールもある」
── でもじゃあ皆競馬に来るとして、ギャンブルじゃないとしたら何を楽しむんですか?
K「社交、ですかね」
U「1着賞金が7億円だから世界中から本当に強い馬が集まってくる。まぁスポーツだよね」
K「私たちが見たところもエミレーツ航空が用意してくださった入場料が数万円のセレブな人たちが入れる一角だったので、とても良い席で」
U「VERBAL的なドバイの人たちがいた。この人たちが本当のお金持ちだろうな。隣の人もレバノンで水を掘っていて凄くお金持ちそうだった」
K「レースが終わると花火が上がって、突然ジャネット・ジャクソンがライブを始めるようなスケールの大きさ」
U「でも競馬は日本の競馬とぜんぜん違う。日本の競馬はまぁ地味というか。ドバイのそれは社交だね。ヨーロッパとかアメリカに近い」
K「めかしこんでパーティに行く気持ちですね」
日本人にもおすすめ、ドバイのフード&ドリンク
── 食事はおいしい?
U「フムスとか、タブレ(ミントとパセリのサラダ)とか、皆きっと好きだと思う」
K「タブレはサントロペでもメニューに」
U「イスラムの人たちはお酒を飲まないからソフトドリンクも充実していてソフトドリンク美味しいね」

誰が撮影してもこうなるスターバックス
── 飲食店なんかも良いお店がありました?
U「人気のカフェもいっぱい。お酒が飲めないからカフェが発達してる」
K「皆カフェのテラスでシーシャを吸いながらゆったり過ごしたり」
U「スターバックスもこんなに綺麗で」
K「世界でもっとも美しいとされているモスク風のスターバックスですね」
U「これはなかなか作れないな。でもコーヒーは本当にポピュラーだね。豆もアラビカとかがあるくらいだからアラビア産のものも多くて。アラビアコーヒーという独特のコーヒーがまたおいしい。それからドバイのバワリーキッチンみたいな店もあった。皆まぁ楽しそう」

アラブのバワリーキッチン
K「ここはいつも満員で、凄く美味しくて毎晩食べに行きました」
── 料理はいわゆる中東の料理?
U「そうですね、特にタブレがおいしい。あとはフェタチーズを揚げたものもすごくおいしい」
K「日本にあったら通っちゃうなぁ」
U「これ日本にあったら流行るよね」

左は代表的なレバノン料理、パセリとミントのサラダ。
右はフェタチーズの揚げ物。ラフで繊細な料理がとても馴染む。
モダンさと伝統が共存する、遊園地のような街
── では街編を。
K「ドバイは10月から4月がベストシーズンで日中は30度前後、夜は25度くらいという感じなので過ごしやすいですね」
U「公共機関のデザインもモダンだね。デザイン都市みたいになってる。旧市街の散策も面白い」

何度も純粋な眼差しにはっとする
── ショッピングも楽しめる?
K「ドバイモールという東京ドーム23個分の大きさのショッピングモールがあってそれがまた凄い。モールというと地方っぽいイメージですけど、名だたる高級メゾンが入っていたりして」
U「外の温度が50度とかになるといくら高級ブランドの路面店でも誰も来ないから。だからモールが発達してる。モールに来ている車も凄いのが多くて。モールの1階の入り口付近は高級車ばかり。ナンバーすらない王様っぽい車とか」
K「ゾロ目のナンバーとかは凄く高いらしいですよ」
U「ナンバーだけで1億とか。モールの中にも車が飾ってあるくらい皆車好きで」
── モールの中にも色々あるんですね
K「水族館も入っているし、スケートリンクも入っている。暑さ対策による総合ショッピング施設みたいなものですかね。屋根付きの東京?」
U「一つの街だね。色んなクラス用のモールが各地にあるけど、ドバイモールが最大だね。伊勢丹8個分って感じかな? 近代的なモールがある一方でスーク(市場)もある。昔ながらのオールド・スークとか、スパイス・スーク、ゴールド・スークなんかがあって」
K「それら市場をアブラ船という船で移動するのが楽しいんです」
U「運河を移動しながら、エキゾチックな世界観が楽しめる。スパイス・スークでは高級スパイスのサフランが買えたり、パッケージも欧米とはまた違うし異文化感が凄くフォトジェニック。ゴールド・スークにいたっては金の秋葉原みたいなところでずらーっと金が売られていて圧巻。税金が無いから金も安い」
── イスラムに改宗したくなりました?

本物のカフェ文化
K「しても良いと思うくらい皆さん優しくておだやかで」
── 街並みも綺麗?
U「街並みも凄くきれいだね」
K「夕陽が沈む光景もメロウな感じで」
── 治安も良い?
K「治安もめちゃめちゃ良いですね」
U「ドバイにインターセクト バイ レクサスがオープンする時に社長が行かなかったって話があったけれど、これはもう全く問題ないよなぁ」
── 街を一言でいうと?
U「全体的に遊園地みたいだな」
K「アトラクションパークに来たような気持ちになる国ですね」
U「いい意味でイスラム文化が色濃い。イスラム文化に触れていくと結構素朴で親日で日本人にはしっくり来るような気がする」
エミレーツ航空オフィシャルサイト
http://www.emirates.com/jp/japanese/
ドバイワールドカップ 2017
開催日:3月25日(土)
会場:Meydan Racecourse(メイダン競馬場)
Al Meydan Road, Nad Al Sheba - Dubai, UAE
http://www.dubaiworldcup.com/visit/tickets/general-admission