「装飾」がテーマの展覧会が東京都庭園美術館で開催

東京都庭園美術館が、展覧会「装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法」を開催中。期間は2018年2月25日(日)まで。
時代とともに新しい意味を伴い変化を繰り返してきた「装飾(decoration)」をテーマとした本展には、7組のアーティストが参加している。年齢も国籍もジャンルもバラバラな作家たちは、表現方法も彫刻や衣服、絵画、映像と多彩。ここで「装飾」は、「生々しい現実を複雑なまま認識するための切り札」という言葉で説明されている。人類の歴史の中で、あるいは各人の人生において絶えず意味が変化していく装飾という行為を読み解く試みだ。

山縣良和《collection #07 THE SEVEN GODS – clothes from chaos》2012年 ©writtenafterwards
同展の開催前夜に庭園美術館内でファッションショーを開催したことが話題になったwrittenafterwardsの山縣良和。本展ではこれまでのコレクションを振り返りながら、ファッションの意義や起源に言及するメタ的な視点に立った服作りを紹介する。
ベルギー出身のディム・デルヴォワは、古典的な建築装飾を再構築する「ゴシック」シリーズや、リモワ社のスーツケース、ゴムタイヤといった工業製品に豪華な装飾を施した作品を展示。

ニンケ・コスター《時のエレメント》2015年 Photo: David in den Bosch
ニンケ・コスターはオランダ出身のアーティスト。建築のディテールをシリコーンゴムでそのまま写しとり、かぐや彫刻に生まれ変わらせる。会場では、スツール作品に実際に座ることができる。
京都出身の現代芸術家、山本麻紀子。今回はロンドンで制作した「Through The Windows」の連作を展示。見知らぬ人の家の窓を通して見える部屋の様子から物語を想像し、その窓の絵と物語を携えて突然住人を訪ねるというプロジェクトである。
一卵性双生児のアーティストユニット、髙田安規子・政子。自然の風景や建造物などの大きなものをチョークや糸巻きなどの小さな日用品で表現したり、高価な美術工芸品を安価な材料で表現したり、尺度や基準をゆるがす作品を制作。
タイで生まれ、ドイツで学んだ映像・写真作家のアラヤー・ラートチャムルーンスック。今回は身元不明の女性の遺体たちに向けて、タイの伝統的な舞踊歌唱劇「イナオ」の中の恋の物語を読み歌い聴かせる映像作品を上映。
イギリス出身のコア・ポアは、ペルシャ絨毯の修復職人であったイラン系イギリス人の父を持つ。そのルーツから制作した、ペルシャ絨毯にインスピレーションを得て、異なる時代や文化圏のモチーフを引用あるいはリミックスしながら描いたペインティングを展示。
text: Ryu Nakaoka
「装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法」
会期:開催中~2018年2月25日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館・新館)
東京都港区白金台5-21-9
tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)
休館日:第2・第4水曜日(11/22、12/13、1/10、1/24、2/14)、年末年始(12/27~1/4)
開館時間:10:00~18:00 (入館は17:30まで)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/